コンデンサは基本的には電極(導体)と電極間に絶縁体が存在することで成り立っている。セラミックコンデンサに代表されるコンデンサは極論を言えば使用する導体は何でもよく、また無極性である。一方、電解コンデンサは、陽極に使用する導体は弁金属とよばれる金属を使用する。
弁金属を陽極として適当な電解液中で電解処理すると、金属表面に酸化皮膜が生成し、電流を流れにくくする。一方で陰極として電解処理すると電流が流れるという方向性を示すことが弁金属の特徴である。この生成した酸化皮膜を絶縁体(誘電体)として利用したのが電解コンデンサである。従って、この弁金属の性質(整流作用)から電解コンデンサは有極性となり、これは普通のコンデンサと異なる特徴であり、使用する上で注意が必要である。代表的な弁金属としてはタンタル、アルミがある。
電解コンデンサは陰極に電解液を使用するタイプと導電性高分子などの固体電解質を使用するタイプがある。電解液タイプはさらに陽極と同じ弁金属の導体で電気を引き出している。
極性と逆方向に電圧を印加(逆印加)すると、陰極は定格電圧に耐えられない酸化皮膜でしか被われていないので過電圧の場合と同じ化学反応が起こり、発熱やガス発生により内圧上昇する。固体電解質タイプでは陰極に弁金属を使用していないので化学反応は起きず、このようなリスクはない。
固体電解質タイプのタンタル電解コンデンサとアルミ電解コンデンサは、整流作用の特徴は同じなので逆印加すると短絡する。しかし、実際に製品へ逆印加した検証を実施したところ、タンタルとアルミで異なる結果が得られたので紹介する。
続きを読みたい方は、PDFをダウンロードしてご覧ください。
ダウンロードには
my Murata※への会員登録/ログインが必要です。