デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透およびリモートワークの拡大にともない、PCなどのIT機器に求められるデータ処理能力が増えています。従来はウェブサイトの閲覧が主な利用用途でしたが、現在は動画編集や出先で作業ができる薄型・軽量のIT機器が好まれるため、必要なスペックが変化しました。
一方でデータセンターではディープラーニングと機械学習の機能が必要不可欠となり、大量のデータを高速に処理することが求められています。
それ故、IT機器は小型かつ大容量のデータ処理能力が求められます。そこで、IT機器の処理能力を上げる「アクセラレータボード」が重要視されるようになりました。
アクセラレータボードは分散型の高速処理が求められるため、最先端の半導体技術による高密度ICが使われ、微細化にともなう電源回路の低電圧と、搭載されるセル数の増加にともなう大電流化が進んでいます。
上記の理由から、電源ノイズを抑制し、かつ高負荷時にも電圧が安定することが重要です(→ 1 低リップルノイズ、2 負荷変動に対する電圧変動安定性)。
また、大電流を使用するため、発熱により熱がこもる懸念があります。したがって、高密度ICの上面に熱効率のよい大型ヒートシンクが搭載できるように、周辺の電子部品の製品高さを合わせる必要があります。
前述のとおり、昨今アクセラレータボードは「低電圧」「大電流」がトレンドです。それにともない、部品に関しては「大容量」「低ESR」「低背」の機能を持つ必要があります。